本「アメリカ映画の大教科書 上・下」
※
ハリウッド100年余の歴史を上下2冊に
凝縮した本。
これさえ持っていればアメリカ映画の歴史に
関しては、他の本はいらないのではないか。
1890年代の映画の誕生から
「映画の父」グリフィスの時代
大恐慌と映画会社の再編、
グレタ・カルボやゲーリー・クーパーの生涯、
西部劇、ギャング映画の興隆、
大物プロデューサー、セルズニックの果たした役割、
ミュージカル映画の1950年代、
までハリウッド映画の歴史が、
作品、俳優にまつわる
豊富なエピソードを通して
理解できる。
難を言えば、
1950年代までにページを割きすぎたためか、
1960年代以降現代までの記述がややもの足りない。
評論家の川本三郎さんが
「ハリウッドの黄金時代に遅れてきた若い世代が、
こういう正攻法の映画史の本を書き上げるとは意外で、
うれしい驚きだ」と賛辞を寄せているが、
まさにその通りだ。
座右の1冊(2冊ではあるが)にしたい本だ。
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コメント
アメリカ映画といえば、1950年代の西部劇やミュージカル映画。
1980年代のSF映画を思い浮かべます。
最近は、日本映画も元気なんで、どちらかと言えばアメリカ映画は以前ほど勢い無い感じですね。
最近ちょと気になるのは「ダイハード4.0」です。
投稿: クモ男 | 2007年7月 6日 (金曜日) 22時38分
>クモ男さま。
確かに、アメリカ映画はCGに頼りすぎている感がします。
アジアの映画に面白いものがあると思います。
投稿: 富久亭 | 2007年7月 7日 (土曜日) 07時25分
和田誠さんが「シネマ今昔問答」でこの本についてコメントしています。P.222です。是非ご覧下さい。
投稿: dai626ku | 2012年2月15日 (水曜日) 22時58分