本「ゾウの時間 ネズミの時間ーサイズの生物学」
(中公新書、本川達雄)
※
1 動物のサイズと時間
2 サイズと進化
3 サイズとエネルギー消費量
4 食事量・生息密度・行動圏
5 走る・飛ぶ・泳ぐ
6 なぜ車輪動物がいないのか
7 小さな泳ぎ手
8 呼吸系や循環系はなぜ必要か
9 器官のサイズ
10時間と空間
11細胞のサイズと生物の建築法
12昆虫ーー小サイズの達人
13動かない動物たち
14棘皮動物ーーちょっとだけ動く動物
あとがき
付録
本棚を整理していて見つけたので、
読み返してみたが、やはり名著だ。
地球上には数え切れない種類の動物が暮らしている。
ゾウはゆったりと歩き、ネズミはちょこまか走り回る。
まったく共通点のないように見える動物たちだが、
動物のサイズとその動物の生きる時間には
「時間は体重の4分の1乗に比例する」
という簡単な法則がある。
つまり大きな動物ほど何をするのにも時間がかかるのだ。
ネズミは数年しか生きないが、ゾウの寿命は百年ある。
性的に成熟するのも、息をする間隔も、
この法則にしたがっているのだという。
一方で、どんな動物も一生の間に
心臓が鼓動する回数は20億回と決まっている。
鼓動を時計と考えれば、ゾウもネズミも、
物理的な寿命には大きな差があるが、
それぞれの感覚では同じ時間だけ
生きるということにもなりそうだ。
この本には、生物に関する考察がいっぱい詰まっている。
単に知識を羅列しているのではなく、なぜそうなるのか、
観察や実験の結果から、理論だてて説明している。
推理小説を読むような面白さだ。
車輪は、人間が発明した便利な道具だが、
進化の過程で車輪をもった生き物が登場しなかった
理由の説明には、思わず膝を打った。
(1992年、680円+税)
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