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2008年2月21日 (木曜日)

本「柳家小三治の落語2」

 (小学館文庫、柳家小三治

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 小三治師匠がTBSの「落語研究会」で演じた

名演8席を収録した。

どれもおなじみの噺だが、

出だしが良い。

師匠の口調を想像しながら、

口に出してみる・・・・・・

      ◇

睨み返し

 ええ、すっかりおしつまりましてございいますが、

昔は江戸っ子の言葉に大変気楽な言葉がありまして、

これ、何かってぇと、「どうにかなるよ」てんですね。

「どうにかなるよ、おい」

「どうしたい」

「えぇ、どうにかなんだろう」

「何が」

「いや、何だかわかんねえけど、どうにかなるよ」

なんて。どうにかなっちゃうんだそうですね。

大変いい世の中です。

       ◇

長者番付

 ええ、だんだんとこの、これからは、

休日というものが、ますます多くなるようでございますね。

ま、よろしいんじゃないですかね。

 お休みの日になりますってぇと、

みんな競って外国のほうへ出かけるというのが

昨今の風潮のようでございます。

まあ、いいですよ、いま日本は、

一応お金がありますし、

ほんとに豊かじゃないってことはみんなわかってるわけで、

何となく、いくらか金持たされて、

あやされているわけですから、えぇ。

      ◇

粗忽の釘

 ええ、このそそっかしいというのは二通りあるって言いますね。

何かってぇと、一つはまめでそそっかしい。

もう一つはてぇと、不精でそそっかしい。

まめでそそっかしいてぇのは、

どういうのかてぇますと、

何か一つのことを口に出そうと思ってもまめですからね、

あれこれ、あれこれと思い浮かんだものを口に出しまして、

なかなかそのものにつきあたらないという・・・。

      ◇

子別れ・

 ええ、昔の川柳に「弔いが山谷と聞いて親父行き」

というのがありますね。

そのころのお弔いっていうのは、いまと大分違いまして、

いったんお弔いのお宅へ集まって、

それからお寺まで、ぞろぞろ、

ぞろぞろ歩いていきます。

近きゃいいんですが、

一時間かかっても、

二時間かかっても歩いてく。

      ◇

子別れ・

 「朝帰りだんだん家が近くなり」というのがあります。

「朝帰りだんだん家が近くなり」

 ま、一度でも朝帰りをなすったご経験のある方は、

身にしみる句でございますね、

「朝帰りだんだん家が近くなり」。

恐ろしい句でございます。

      ◇

子別れ・

 「親方いるかい。親方、いるかね」

 「へい。どちらさんで。おぅお、何ですね。

えぇ、どなたかと思ったら、お店(たな)の番頭さんじゃありませんか。

ええ、もしご用があるんだったら、

わざわざじかにおいでにならねえでも、

小僧さんでも使いによこしてくれりゃ、

すぐうかがったんですが。何かご用」

      ◇

お化け長屋

 えぇ、よく他人(ひと)様から、

「のんきな商売でいいねえ」

てなことを言われますが、どうでしょう、

そう見えるんでしょうか。

中には見える人もいるし、

見えない人もいるでしょうし、

えぇ、あたくしなんざ、ほんと困るのはね、

仲間うちから言われるってことがあって、

困るんですよ。

志ん朝さんなんてぇ人は、よくいいますよ。

「おれはね、もう。かぁぁあってんで、

こう段取りを決めて、もう一言も間違えないように、

ずぁあああってんでやんなくちゃいけないのに、

いいねぇ、そっちはのんきで」

 そう見えるんですかね、うぅん。

なかなか人の苦労はわかっていただけないようです。

      ◇

薮入り

 えぇ、昔は小学校を出ますってえと、

どんな子でもみんな奉公というものに出されたもんでございます。

もちろん、その上の高等小学校だ、やれ中学だ、

またその上、上と、

勉強し続けていく子供もあったわけですが、

いまとはまるっきり違って、

ほんとうに、もう、

小学校から高等小学校に上がるのでさえ、

相当優秀であれば、

というような、そういう世の中でしたね。

 (533円+税、2008年2月11日)

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