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2008年2月10日 (日曜日)

映画「潜水服は蝶の夢を見る」(2007、仏・米)

    ★★★★☆

 病に倒れた仏ファッション誌「Elle」の編集長が、

不自由な体で自叙伝を綴った実話の映画化。

原題(英題)は「Le Scaphandre et le papillon(The Diving Bell and the Butterfly )」。

 42歳で人生の絶頂にいたJean-Dominique Bauby (Mathieu Amalric)は、

息子と新車でドライブ中、脳幹に梗塞を起こした。

3週間の昏睡状態の後、目覚めたのは病院のベッドの上。

医師が「ロックト・イン・シンドローム」と診断した彼の状態は、

全身麻痺だ。動くのは左目の瞼だけ。

絶望するBaubyだが、

理学療法士や言語療法士(両方とも女性で美人)の励ましで、

「ウイ」なら1回、「ノン」なら2回瞬きすることで、

会話ができるようになる。

やがてアルファベットも自在に伝えることができるようになったBaubyは、

自分の半生を記録に残そうと思いつく。

苦労の末、自伝は完成し、

その10日後、Baubyは永遠の眠りにつく。

 海中で潜水服を着ているように体は動かないが、

知能はしっかりしているBaubyの楽しみは、

過去の充実した記憶を思い出すことと、

蝶が飛び回るように自由に動く自分を想像することだ。

 冒頭から前半は、

病後昏睡から冷めたBaubyの目を通して描かれる。

 映画が始まってすぐと、

ラスト近くの脳梗塞の発作を起こしたときの回想時に

流れる名曲「ラ メール」が効果的だ。

(この曲は「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」=2007年、英=でも

効果的に使われてましたな)

 全身麻痺という大変な状態なのに、

美人の療法士にドキドキするのは、

フランス人らしい。

 病前、Baubyが飛行機の座席を譲ったために

ハイジャックに遭い、4年間もレバノンに監禁された男が、

Baubyの病気を知り、病院に会いに来るエピソードに

深いものを感じた。

 カトリック教会の巡礼地ルルドに愛人と行ったBaubyが、

愛人と別れることを決意したシーンも印象に残った。

 フランスが舞台のフランス語の映画だが、

製作、監督、撮影などは全部アメリカのスタッフだ。

「新宿バルト9の5」で。 

         Thedivingbellandthebutterfly_galler

[監]ジュリアン・シュナーベル
[原]ジャン=ドミニク・ボビー
[撮]ヤヌス・カミンスキー
[出]マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、
 マリ=ジョゼ・クローズ
[上映時間] 112分

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コメント

トラックバックどうも
おもしろそうな映画、とおもって
blogにとりあげたんです。
おもしろそうなblogにも出合えて満足
またあそびにきてくださいね♪

投稿: 美紗子 | 2008年2月12日 (火曜日) 11時56分

TBありがとうございました。
私もLa merが印象に残りました。スピルバーグのスタジオのスタッフがほとんどだったので、話の流れがアメリカ映画のようでわかりやすかったです。撮影手法が斬新だったので、アカデミー賞撮影賞を取って欲しいです。

投稿: ラジオ映画館 | 2008年2月12日 (火曜日) 23時40分

>美沙子さま
 スペイン語を学習しているのですね。とても素敵なブログです。
今後もよろしくお願いします。

>ラジオ映画館さま
 ぜひ「撮影賞」を取って欲しいですね。フランス映画とアメリカ映画の両方の長所が出ている映画だと思いました。

投稿: 富久亭 | 2008年2月13日 (水曜日) 07時17分

はじめまして!
フランス映画と思っていましたが、アメリカ映画だったのですね。
とってもフランス映画らしいのに、救われないかんじに終わらなかったのは、そのせいなのかもしれないですね。

投稿: ノルウェーまだ~む | 2008年2月16日 (土曜日) 12時17分

>ノルウェーまだ~む様
 初めまして
スピルバーグのチームが作ったのですね。
「死はけして怖くない」というメッセージが
伝わってきました。

投稿: 富久亭 | 2008年2月17日 (日曜日) 11時12分

TBいただきありがとうございました。

この作品は、人間の強さと弱さの両方を描いた作品だと思いました。
それは、ジャン=ドーもそうでしたが、健常者のまわりの人間の方が弱かった気がします。

投稿: Matthew | 2008年2月24日 (日曜日) 19時34分

> Matthew様
 人間には強さと弱さの両方がある、
まさにその通りだと思います。
人間の本質がよく現れている
映画だと思いました。

投稿: 富久亭 | 2008年2月24日 (日曜日) 21時55分

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