本「まぐれ 投資家はなぜ、運と実力を勘違いするのか」
(ダイヤモンド社、ナシーム・ニコラス・タレブ・著、望月衛・訳)
プロローグーー雲に浮かんだモスク
第1部 ソロンの戒め
1 そんなに金持ちなら頭が悪いのはどうしてだ?
2 奇妙な会計方法
3 歴史を数学的に考える
4 たまたま、ナンセンス、理系のインテリ
5 不適者生存の法則ーー進化は偶然にだまされるか?
6 歪みと非対称性
7 帰納の問題
第2部 タイプの前に座ったサル
8 あるいはとなりの億万長者でいっぱいの世界
9 卵を焼くより売り買いする方が簡単
10 敗者総取りの法則ーー日常の非線形性
11 偶然と脳ーー確率をわかるのに不自由
第3部 耳には蝋を
12 ギャンブラーのゲンかつぎと箱の中のハト
13 カルネアデス、ローマへきたるーー確率論と懐疑主義
14 バッカスがアントニウスを見捨てる
エピローグーーソロンの言うとおり
あとがきーーシャワーを浴びながら振り返る
例えば、
「自動車事故は家の近くで起こすことが多い」
という命題は正しいか。
「家の近くではつい油断してしまうからだ」
と納得してしまったら、
その人は確率の持つ錯覚にだまされていることになる。
「家の近くで事故が良く起きているのは、
単に家の近くで運転している時間が長いから」
に過ぎないかも知れない。
ウオールストリートで20年以上
トレーダーの経験がある著者が
「どうして人は
投資で儲かると自分の実力だと思い込み、
損をすると運が悪かったと思うのか?」
などという投資家心理を、
現在、主流になっている行動経済学や
脳科学、心理学などを駆使して、
分析した。
めったに起きないが、
起きたらものごとに決定的な影響を与える事象、
ーー例えば1997年のアジア通貨危機ーーを
「黒い白鳥(black swan)」 と呼び、
「黒い白鳥」を無視して
計画を立ててはいけないことも
思い知らされた。
文章にやや癖があるものの、
面白く読めた。
(2000円+税、2008年1月31日)
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