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2008年7月15日 (火曜日)

本「落語の国からのぞいてみれば」

 (堀井憲一郎、講談社現代新書

  寄席に通い続けている著者が

名人上手の口演の速記録を交えて

論じた落語論。

実に面白い。 

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例えば、落語家の襲名について、

大名跡を継いだ6代目柳家小さんの例をあげ、

「哀しいほど何もない噺家さんだ。

寄席の合間に出てくるのはかまわないが、

あまり最後に出てきて長々とやられると困る、

というレベルの噺家さんである。

そんな咄家は東京には掃いて捨てるほどいる」

と切って捨てたうえで、

襲名に文句が出るのは先代と比べるからであって、

名前に個性を持たせたがる

近代人の勝手なわがままだという。

「柳家小さんは、小さんの芸を継ぐ人が名乗る。

ま、この際、うまい下手はあまり問わない」

同感だ。

 このように名前の付け方のほか、

年齢の数え方、時間、相撲、恋愛、酒、歩き方、死生観、金の価値など、

いま普通だと思っていることが、

実は特殊で現代人にしか通用しない常識に

のっとっていることを、

気付かせてくれる。

「落語のえらいところは、

200年も昔の若い連中の姿を生き生きと見せてくれるところだ」

 酉の市の花園神社の見世物小屋の記述もある。

昔はろくろ首やかっぱもいたそうだ。

見世物小屋のスター、

おミネさんは「きれいなおばあさん」と書いてあり、

これはわしの印象とはちょっと違う。

巻末の「登場落語の解説」がとても役にたつ。

(740円+税、2008年6月20日)

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