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2008年9月23日 (火曜日)

映画「アキレスと亀」(2008年、日)

    ★★★★★

 北野武監督の14作。

芽の出ない画家と妻の物語。

      ◇

  群馬県で製紙製糸工場や銀行を経営する父親(中尾彬)のもと

好きな絵を自由に描いていた倉持真知寿(吉岡澪皇)。

だが、父の会社が倒産、

父は芸者と心中してしまう。

叔父(大杉漣)の家に引き取られた真知寿は、

父の後妻、春(筒井真理子)の自死も乗り越え、

絵を描くことに熱中する。

青年になった真知寿(柳憂怜)は、

勤め先の事務員、幸子(麻生久美子)が唯一

自分の芸術を理解してくれることを知り、

結婚、マリ(徳永えり)が生まれる。

画商(大森南朋)のアドバイスを受けたり、

美術学校の仲間と実験的な作品を作ったりしてみるが、

相変わらず世間の評価は得られない。

中年になった真知寿(ビートたけし)と幸子(樋口可南子)は、

商店街のシャッターに絵を描いたり、

交通事故で死にかけている人を描くなど、

奇行に走る。

そんな両親の行動に絶望したマリは自殺、

幸子も真知寿のもとを去る。

真知寿は焼身自殺しようとするが、

死に切れない。

病院から退院した真知寿のもとに現れたのは・・・・・・

     ◇

 タイトルは、古代ギリシアの哲人ゼノンの

「足の速いアキレスは、遅い亀に追いつくことはできない」

というパラドックスからとった。

映画のラストで「アキレスは亀に追いついた」と説明されるが・・・

 北野監督の作品としてはわかりやすい。

人が大勢死ぬなど暴力的なシーンや

ブラックユーモアは相変わらずではあるが。

中年になった真知寿夫妻の、

すさまじいばかりの創作活動を観ているうちに、

涙と笑いが同時に出てきた。

隅田川沿いのラストシーンも感動的だった。

それにしても、真知寿役の3人の役者が、

全然似ていないのには苦笑。

 「テアトル新宿」で。

     Akiresu

[監]][脚][編]北野武
[音]梶浦由記
[出]ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜
 麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀
 大杉漣、大森南朋、筒井真理子
 吉岡澪皇、円城寺あや、徳永えり
[上映時間]119分

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コメント

初めてお邪魔します。
この映画全く理解できなかったのですが、いくつか教えて下さい。

「群馬県で製紙工場」とありますが、これは何処かで説明があったのでしょうか?「蚕が全滅」とのセリフがありますので、絹織物製糸工場だと思うのですが・・・。

「絶望したマリは自殺」も、何か自殺をほのめかす演出があったのでしょうか?私は勝手に、援交絡みで事件に巻き込まれて、と想像していました。

「北野監督の作品としてはわかりやすい」とありますが、私には誰が誰に追い付いたのか理解できませんでした。北野作品はほとんど観ていませんので、どうも判りません。初心者的質問で申し訳ないのですが、お教え頂ければ幸いです。

投稿: 諸葛亮 | 2008年9月23日 (火曜日) 11時04分

>諸葛亮さま
ご指摘の通り「製紙工場」の誤変換でした。ありがとうございます。
 訂正しておきます。

 周囲の人が次々自死しているため、マリも自死したのかと思いました。確かに死亡の原因は描かれていなかったですね。

 例えば、売れない役者を主人公にした「TAKESHIS'」(2005年)と比べると格段にわかりやすいと思います。「誰が誰に追いついたか」。私もよくわかりません。「真知寿」が「真の芸術家」になった、ということでしょうか。違うかな?

 

投稿: 富久亭 | 2008年9月23日 (火曜日) 14時51分

お返事ありがとうございます。
なるほど、誰が誰にでは無く、真知寿自身の中での変化と考えた方が理解できそうです。

投稿: 諸葛亮 | 2008年9月24日 (水曜日) 15時20分

>諸葛亮さま
 これからもよろしくお願いします!

投稿: 富久亭 | 2008年9月25日 (木曜日) 06時50分

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