本「落語家はなぜ噺を忘れないのか 」
亡くなった先代、柳家小さんの孫、花録師匠が、
落語家の手のうちを公開した本。
花録師匠の持ちネタは145本あって、
・いつでも高座にかけられるネタ(24本)
・2-5回さらえば高座にかけられるネタ(72本)
・高座にかけたことはあるが作りなおす必要があるネタ(49本)
の3種類に分けられる、
なんてことが書いてある。
「落語家というのは、演出力も含め、
覚え方や稽古の方法を知ることも大事になる」という花録師匠は
小さんはもちろん、古今亭志ん朝、柳家小三治などの
師匠に稽古をつけてもらったが、
駆け出し時代に小三治師匠の前で練習した時の
小三治師匠の言葉が面白い。
「これでいいって言えばいいんだけれども、
ダメって言えば、全然ダメだ、おまえ」
「俺は噺に小三治という『装飾』を施しているんだ。
おまえがやりにくければ、
1回それを取り払ってやってみる手はある」
落語というのは、ただコピーして噺を覚えればいい
というものではないというわけだ。
(2008年11月25日、800円+税)
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