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2009年2月24日 (火曜日)

映画「チェンジリング」(2008年、米)

     ★★★★★

 Clint Eastwood 監督、

実際にあった連続少年殺人事件を

モデルにしたドラマ。傑作。

原題は「Changeling」で、「取り替え子」の意。

「取り替え子」とは、西欧の民話で、妖精が人間の子供をさらった後に

置いていく妖精の子供のこと。

     Changeling

 1928年3月のLos Angeles。

女手ひとつで9歳の息子Walter Collinsを育てている

電話局の交換係の主任Christine Collins (Angelina Jolie)が

仕事から帰ると息子が消えていた。

5か月後、見知らぬ男と一緒にいた少年を警察が保護、

WalterだとしてChristineに引き合わせる。

「息子ではない」

背も7センチ低いし、割礼の跡がある。

自分の息子ではないと主張し、

小学校の教師や歯医者も証言してくれるが、

市警のJ.J. Jones 警部(Jeffrey Donovan)は取り合わない。

挙句の果てに、市警の体面を保つために

Christine を精神病院に強制入院させてしまう。

 やがて、カナダから密入国した少年を市警が保護したことから、

郊外の養鶏場で少年20人を誘拐し殺害した事件が発覚する。

被害者たちの身元は完全には解明できなかったが、

犯人のGordon Northcott(Jason Butler Harner )は逮捕され、

Christineの支援者の牧師らの尽力によって、

市警の隠ぺい工作も公聴会で明らかにされる。

Gordon Northcottは裁判で死刑が確定、

処刑の前日にChristine に電報を打ち、

真相を打ち明けたいという。

果たして、最愛の息子はどうなったのか・・・・・・

       ◇

 息子を思う母親の思いが、

腐敗した権力に戦いを挑む力を生み出す。

Angelina Jolieが素晴らしい演技を見せる。

ラストの希望を捨てず凛として歩んでいく姿がいい。

冒頭から映画の世界に没入、

気がついたらエンドタイトルが流れていたという感覚で、

Eastwoodの演出にも脱帽。

後半、Gordon Northcottの裁判と

市警の腐敗をただす公聴会が

並行して開かれるところ、

Northcottの刑執行前日の告白など、

見せ場もたっぷりだ。

海老茶色の路面電車やクラシックな自動車、

建物、洋服、髪型なども1920年代らしい雰囲気を出している。

電話局の交換室でローラースケートを履いて

Christineが室内を回っているのが

面白かった。

アカデミー賞発表の日、

親しい人たちが集まってラジオで発表中継を聴きながら

パーティーをする習慣があったのを

初めて知った。

Christineが「作品賞はきっと『It Happened One Night 』が取るわ。

Cleopatra』じゃなくて」

というところがあるが、

Christineの気持ちがよくわかる。

「新宿ピカデリー」3で。     

[監][製][音]クリント・イーストウッド
[脚]J・マイケル・ストラジンスキー
[出]アンジェリーナ・ジョリー、ガトリン・グリフィス、
 ジョン・マルコビッチ、ジェフリー・ドノバン
[上映時間]142分・PG-12

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コメント

訪問ありがとうございます。イーストウッドの演出は、本当に脱帽ですね。今後の彼の作品が、楽しみになってきました。富久亭日乗様の芸術・文化に対する造詣の深さと、人柄に、感動させられました。これからも、よろしくお願いします。

投稿: ずるずるべったん | 2009年2月24日 (火曜日) 09時58分

>ずるずるべったん様
 Clint Eastwood は、マカロニウエスタンに出ていたころからのファンです。こんなに素晴らしい映画を撮るようになるとは思っても見ませんでした。長生きして、これからも良い映画を作ってほしいと願います。

投稿: 富久亭 | 2009年2月25日 (水曜日) 06時59分

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