カテゴリー「経済・政治・国際」の3件の記事

2008年8月24日 (日曜日)

本「すべての経済はバブルに通じる」

小幡績、光文社新書363

     Subete

 リスクテイクバブル。

リスクを取ったものだけが、

リターンを得ることができるが、

皆がリスクをとるようになれば、

リスクがリスクでなくなり、

確実に利益を上げることができるようになる。

このため、 投資家たちはリスクに殺到し、

リスクを取ることに対する対価が、

安くなる現象をいう。

 2007年2月末の世界同時株安の直前は、

まさにこの状態で、

リスクが高ければ高いほどよく、

他の投資家がまだ投資していない新興国ほど、

株価や不動産価格は高騰したという。

 小幡さんは、

リスクテイクバブルは、

バブルを超えたバブル、

「21世紀型バブル」だという。

「キャンサーキャピタリズム(癌化した資本主義)」は、

まずリスクテイクバブルとして現れたが、

今後もさまざまに形を変えて、

21世紀を席巻すると

小幡さんは予測する。

(760円+税、2008年8月15日)

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2008年1月26日 (土曜日)

本「こんなに使える経済学 -肥満から出世まで」

 (ちくま新書701、大竹文雄編

        ※

              

序 「経済学は役立たず」は本当か

1 なぜあなたは太り、あの人はやせるのか

2 教師の質はなぜ低下したのか

3 セット販売商品はお買い得か

4 銀行はなぜ担保を取るのか

5 お金の節約が効率を悪化させる

6 解雇規制は労働者を守ったのか

あとがき

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 大阪大学社会科学研究所の経済学者たちが

「週刊エコノミスト」に連載したものをまとめた。

 既存の経済学は人間の合理的な行動を前提にしてきた。

だが、

      

規制をすべきかすべきでないのかというのは、

人間の非合理性をどう考えるかでずいぶん変ってくる。

伝統的な経済学は、市場がうまく機能しないときを除いて、

そういうおせっかいは一切すべきではない、と考えていた。

ところが、非合理的なことをしてしまう人間行動を考慮すると、

おせっかいなことをした方が、よいかもしれない。

どういうときにどんなおせっかいをすればよいのかということを考えることが、

これからの経済学の中心になっていくのではないだろうか

と現代の経済学は非合理的な人間の行動にも

光を当てるようだ。

「美男美女への賃金優遇は非合理か」

「相続争いはなぜ起きる」

など心理学と経済学の両面からの分析が面白い。

(680円+税、2008年1月10日)

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2007年10月18日 (木曜日)

資産インフレ再び?

 藤巻健史さんの講演を聞いた。
 経済界で藤巻兄弟といえば、
伊勢丹のカリスマバイヤーから福助を経て
イトーヨーカ堂の役員をしている
弟の藤巻幸夫さんが有名だが、
兄の健史さんも、モルガンやジョージ・ソロスのヘッジファンドで
ディラーとして鳴らした。
 講演の内容を一言でいうと、
巨額の財政赤字により
土地や株式などの資産インフレーションが起こるのは確実なので、
資産を現金で持っていずに、
長期固定で借金してでも
土地や株に投資するべきだ、
というものだ。
 自身の資産も、その方針に沿って運用しているし、
投資顧問先にも同様のアドバイスをしているという。
威勢がいいのである。
 わしとしては、
アルゼンチンや戦後のドイツなどのように、
物凄い勢いで物価が上がる「ハイパーインフレ」にはならないものの、
ある程度のインフレになるのかな、とも思う。
 その一方で、地価などは最早過熱しており、
バブルが弾ける寸前という見方もある。
 いずれにせよマーケットの先行きは予見不可能だし、
第一、投資する資金もない。
 気楽なものである。

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